「美し国」への基本は、その土地の自然風土を生かした「地域性」(Regionality, Locality)と,建築物のみならず道路河川公園など多彩な景観要素と市民のくらしがひとつに融合した「全体性・総合性」(Totality、Total landscape)にある。加えて、自然と調和し共生しながら景観を創り育ててきた人々 の長年にわたる努力が不可欠である。景観法(2004年)を契機として、それまで各地で地域課題の解決のためにも自主的にすすめられてきた緑豊かで美しい地域づくりは、全国的かつ本格的な展開をみせている。私ども「美し国づくり協会」は、こうした国民的運動を専門家の立場から、なおかつ市民的視点をふまえて、我が国独自の景観政策・景観計画・景観技術・景観教育・景観運動などを多面的に支援し、『美し国・日本』の実現をめざそうと、2004年特定非営利活動法人を創設した。これまで毎年、全国各地で景観意識の深化や啓発のためのシンポジウムを、また数点の編著も刊行してきた。2014年、10周年を記念して他の景観賞とはちがって国土的スケールの「美し国づくり景観大賞」を創設し、地域性・総合性・継続性の点で21世紀日本の景観づくりの方向性を示唆する優れた取り組み、活動や運動を評価し、その成果や思想と方法を顕彰するとともに、全国の景観行政団体や景観改善活動など行政、市民、企業、専門家、諸団体に普及することとした。
美し国づくり景観大賞は、地域の個性を活かした良好な景観の創出、地域創生に寄与し、これを後世に引き継ぐ活動を行っている優良事例をビフォー・アフターに主眼を置いて選定し、その活動に取組んでいる関係者を顕彰し、併せて受賞者を中心にシンポジウムを開催し、その概要等を出版物に纏め、美し国づくりの実践活動として広く全国に紹介し、世界に誇れる美し国づくりの理念の普及啓発と実践行動の推進を図ることを目的としています。
例えば、適宜ホームページや協力メディアで「会員コメントを付記して」紹介。また、「大賞・特別賞の紹介」に加えて「シンポジウム内容」などを編集し、広く公開すると共に数年おきに書籍化・出版し、受賞対象者等に寄贈することも予定しております。